高校生の頃、吉川英治さんの小説を手にしてからわたしの武蔵研究の旅が始まったのでした😊「五輪の書」も読みふけりましたね~懐かしい
武蔵の一生を綴った長編の読み物ですが、わたしがとても心を奪われたのはほんの7ページに描写された武蔵の3年間です。
簡単に言いますと、乱暴者、野放しの自然児と言われた武蔵。沢庵和尚によって捕らえられ白鷺城天守閣の一室に幽閉されそこで三年の月日を過ごします。そこは暦も秋も春もなくあらゆる生活の物音も聞こえてこないところ。あるのは和書、漢書、禅書、国史など山のような書物。
沢庵和尚は諭します
「書物はいくらでも見よ。古の名僧は大蔵へ入って万巻を読み、そこを出るたびに少しずつ心の眼を開いたという。おぬしもこの暗黒の一室を母の胎内と思い、生まれ出る支度をしておくがよい。肉眼で見ればここはただ暗い開かずの間だが、よく見よ、よく思え、ここには和漢のあらゆる聖賢が文化へささげた光明が詰まっている。ここを暗黒蔵として住むのも、光明蔵として暮らすのも、ただおぬしの心にある」
武蔵は生まれ変わりました
新免武蔵(しんめんたけぞう)から宮本武蔵(みやもとむさし)となり放浪の旅に出ます。
意味もなく自分が嫌いになったり、途方もなく悪い方に考えてしまったり、全てを消し去りたくなったり、もうすべてがどうでもよくなったり……そしてフッと生まれ変わりたい、という気持ちが湧いてくる
どうしたら生まれ変われるんだろう、どうしたらまた一から始められるんだろう、どうしたら今の自分を変えられるんだろう……
何かを変えたい、自分を変えたいと心の底から願う時にこの場面を思い出します。
『静かな暗闇の中に光明を見る』
書物を読むというのは一つの手段であり、心の眼を開くための方法は他にもあるのかもしれません。瞑想をするとか武道に打ち込むとかただ風景を眺めるとか、いろいろ。
目的が「内観する」「自分と対話する」という事であれば、静かにひとりでいる空間時間が必要なのですね。
ところで
インプットし続けた後はやはりアウトプットしなくては!ですよね~
でなければ、わかったつもり~で終わってしまう
武蔵が素晴らしいのは「実践の人」であったこと
見倣いたいものです😅