けめこの綴り帳

不良ばぁばの胸のうち

斜陽

斜陽とは

地平線に沈もうとしている日没前の太陽

勢威や富貴が衰亡、没落にむかっているさま

 

太宰の「斜陽」を読み終えました

私なりの感想を簡単に。

 

貴婦人として滅びゆくことを受け入れた母親

百姓の子として階級への復讐のようにカタンスに生きる上原

下品になりきれず平等主義の名のもと貴族の業に苦しむ直治

道徳革命の過渡期の犠牲者でありながら、私生児とその母として太陽のように生きることに賭けたかず子

 

ふと描いてみる斜陽の風景

西の空一面を赤く染める夕焼けが美しく

水平線に落ちてゆく陽の揺らぎが美しく

陽が傾く刻一刻に、静かな深い喜びを感じます

明るさの中に暗さがあり、暗さの中に明るさがある

慰めの中に孤独を見る感覚

物寂しさの中に強さを見る感覚

やるせなさの中に希望を抱く感覚

消えゆく者の中に愛おしさを抱く感覚

斜陽とは

終焉の輝き